研究課題/領域番号 |
04671309
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
中川 彰 帝京大学, 理工学部, 教授 (60050548)
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研究分担者 |
高橋 宣治 帝京大学, 理工学部, 助手 (00236291)
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キーワード | ポリケチド / 糸状菌 / 生合成 / ケミカルスクリーニング / メラニン生合成阻害 / ^<13>C標識化合物 / 神経突起伸長作用物質 |
研究概要 |
1.糸状菌由来の新規生物活性物質の探索 糸状菌第2次代謝産物中から以下に示す2種の探索系より新規物質を見い出した。 (1)TLC上でのUV吸収を指標としたケミカルスクリーニングより 糸状菌由来の新規ポリケチド物質の探索を行った。マイコトキシンを除いた糸状菌15株の培養抽出液より数種の既知物質との同定を加え、5員環骨格を有する新規物質ATF-202を見い出した。本物質の生物活性を測定中である。 (2)カイコ幼虫の体液の黒色化を指標として、メラニン生合成阻害物質の探索系を構築した。本系に加えマッシュルーム由来チロシナーゼを用いる系を併用し、糸状菌700株の培養液について探索したところ、活性株の中に既知抗菌物質Trichoviridinを見い出した。本物質は既存のメラニン生合成阻害物質の中にあって極めて強い活性を有する。さらに同活性を有する新規物質ATF-606を見い出した。本物質は、ヘテロ環を有する低分子脂溶性物質で現在、各種生物活性を評価中である。 2.放線菌の生産する神経突起伸長作用物質ラクタシスチンの生合成研究 これまでの^<13>C標識化合物を用いる生合成研究においてラクタシスチンの骨格炭素の由来を明らかにした。今回、グルコースを資化するロイシン生産菌より、^<13>Cが立体特異的に標識されたL-ロイシンを取得し、この取り込み実験より、ラクタシスチンのC-11、C-12の両メチルを各々pro-R、pro-Sに帰属した。
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