研究概要 |
1.2,4‐ジメトキシ体(1)のビニル化では,目的物(2)が得られたが,電子過剰複素環であるチオフェン,フランのブロム体(3,4,5)あるいは3‐プロモインドール(6)ではプロムの付いている位置にもビニル化が進行したジビニル体が得られ,選択性はなくなっていた。これらの結果から,芳香族プロマイドの選択的ビニル化は,芳香環の電子密度に大きく影響を受ける事が明かとなった。 2.昨年度まではBoc基で保護されたDehyrdrotyptophan(8b)を得ることができなかったが,4‐Bromoindole(7)のビニル化反応の条件を検討する事によって,Dehydrotryptophan(8b)が,本年度になって始めて得られるようになった。 3.デヒドロトリプトファン(8a,b)の不斉還元において,不斉配位子を種々検討した結果,4‐プロモトリプトファン誘導体(9a,b)が70〜80%の不斉収率で得らるようになった。現在Boc基で保護された光学活性4‐ブロモトリプトファン(9b)を用いて,インドールアルカロイドであるclavicip‐itic acid(10)の光学活性体の全合成を検討中である。
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