前年度までに、光学活性4-bromotryprophan(3)は当モルのパラジウム塩存在下4-bromoindole(1)のビニル化、メチル化および不斉還元によって収率よく得られることが、確立された。1を原料としてα、β-不飽和エスエル(4)とした後、パラジウム触媒による閉環反応(Heck reaction)によって高収率で3環性の化合物(5)が得られたが、当初計画したラジカル反応による閉環反応には成功しなかった。しかし、5は光学活性麦角アルカロイド類合成のよい中間体と考えられるため、下に示したルートによるchanoclavine(6)の全合成を現在検討中である。
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