研究概要 |
1.チアミン塩酸塩およびチアミン硝酸塩の熱分解反応を行い、数種類のピリミジニウム多量体の生成をHPLCで確認した。現在、これらのピリミジウム多量体を分離精製すべく分離製条件を検討中である。 2.チアミン-I^-塩とCdI_2との反応からピリミジニウム4量体-I^-塩を得た。現在、X線結晶構造解析を行うべく単結晶の作製を行っている。 3.チアミン-Br^-塩とHgBr_2との反応からピリミジニウム6量体-Br^-塩を得た。現在、X線結晶構造解析を行うべく単結晶の作製を行っている。 4.チアミンからピリミジニウム2量体-ClO_4^-塩を合成し、これを出発物質として(pyrimidinium dimer)-(HgI_3)^-塩および(pyrimidinium dimer)_2-[Co(SCN)_4]^<2->塩を得た。 5.(pyrimidinium dimer)-(HgI_3)^-塩のX線結晶構造解析を行い(右図)、(pyrimidinium dimer)_2^<2+>カチオンと[HgI_3]_2^<2->アニオンとの間に、先に我々が(cyclic pyrimidinim tetramer)^<4+>-2Cl^-塩の結晶構造で見出した新規なカチオンーアニオン認識様式であるC(6')-H(ピリミジニウム環)…Cl^-水素結合およびCl^-…ピリミジニウム環平面 静電気的相互作用(J.Am.Chem.Soc.,113,7033(1991))、と類似のC(6')-H(ピリミジニウム環)…I^-水素結合およびI^-…ピリミジニウム環平面 静電気的相互作用を見出した。
|