研究課題/領域番号 |
04671327
|
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
葛谷 昌之 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (10082984)
|
研究分担者 |
近藤 伸一 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90240944)
野口 章公 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (90094333)
|
キーワード | 低温プラズマ / DDC / 二重錠剤 / テオフィリン / インスリン / ポリ乳酸 / ポリカーボネート / ポリエチレン |
研究概要 |
1.申請者らはすでに分子内にプラズマ架橋性部位と分解性部位とを有するポリカーボネート(PC)を外層高分子として用いた二重錠剤についてプラズマ照射条件により様々なリザーバー型DDSの構築が可能であることを明らかにしてきた。本研究においてはポリプペチド系薬物であるインスリンを核錠とし、外層高分子としてポリ乳酸(PLA)とプラズマ分解性高分子であるポリオキシメチレン(POM)の混合物を用いた二重錠剤について検討したところ、PC同様プラズマ照射条件により薬物溶出性の制御が可能であることが示された。さらに、糖尿病ラットへの皮下投与による血糖値制御効果においいては10日間におよぶ有効性が認められ、かつ、投与部位の炎症は微弱であったことから生体適合性を持つ徐放剤として期待される。 2.プラズマ分解性主鎖にプラズマ架橋性側鎖を導入した高分子(メタクリル酸ベンジルとメタクリル酸の共重合体)を外層とする二重錠剤からの薬物溶出特性を明らかにし、その薬物溶出性はプラズマ照射条件および共重合体組成比により制御可能であることを明らかにした。 3.酸素プラズマ照射した二重錠剤から薬物が溶出する事実は二重錠剤の外層が多孔性外層に変化したことを強く示唆しており、SEMにより目視的に細孔の形成を確認した。さらに、照射条件により外層高分子の溶融あるいは細孔の核物質への到達から照射条件設定には注意が必要であることが示された。 4.プラズマ照射PE粉末とテオフィリンとの混合粉砕により調製した粉末からの薬物溶出はPE表面に存在するラジカル量が多いほど抑制されることが示された。したがって、プラズマ照射条件による薬物溶出制御が可能であることが明らかになり、モノリティック型DDSとして今後さらに発展が期待される。
|