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1992 年度 実績報告書

微生物由来のNGF様作用物質lactacystinの作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04671367
研究機関北里大学

研究代表者

田中 晴雄  北里大学, 薬学部, 教授 (40118823)

研究分担者 松崎 桂一  北里大学, 薬学部, 助手 (20229454)
池田 穂高  北里大学, 薬学部, 助手 (70232197)
池田 治生  北里大学, 薬学部, 助教授 (90159632)
キーワードlactacystin / 作用機構 / 神経突起 / neuroblastomaの細胞 / Neuro 2A細胞 / 細胞周期 / NGF用作用 / 微生物由来
研究概要

当研究室で発見したlactacystinのNeuro2A細胞に対する神経突起伸長作用に関する平成4年度の研究で下記の結果を得た。
1.Neuro2A細胞に対して神経突起伸長作用が報告されているcAMP上昇物質(dibutyryl-cAMP、forskolinなど)及びプロテインキナーゼC阻害剤(H-7など)とlactacystinによる神経突起伸長作用を比較検討した。その結果、dibutyryl cAMPやforskolinによって誘導された突起は多極性で短かく、しかもプロテインキナーゼA阻害剤であるH-89によって抑制されるが、lactacystinにより誘導された突起は長くネットワークを形成し、H-89によって影響を受けなかった。又、H-7によって誘導された突起はTPA(ホルボールエステル、プロテインキナーゼC増強剤)によってリバースされるが、lactacystinの作用は影響を受けなかった。従って、lactacystinは新しいタイプの神経突起伸長誘導物質であることが明らかとなった。
2.Lactacystinは、添加後1時間以内のDNA、RNA及び蛋白質合成を阻害しなかったが、添加後1日目にDNA合成が低下した。又、lactacystinの作用に対するactinomycin D(RNA合成阻害剤)及びcycloheximide(蛋白質合成阻害剤)の影響を調べたが、明瞭な結果は得られなかった。
3.2の結果から、細胞周期に対する影響が考えられたので、フローサイトメトリーで検討した結果、S期の細胞が減少し、G2期の細胞が増加することが明らかとなった。
以上の結果から、lactacystinによる細胞周期の停止がキッカケとなって分化(神経突起伸長)が促進されることが考えられる。今後、細胞周期のどの部位を停止させるのかを詳細に検討する予定である。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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