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1993 年度 実績報告書

微生物由来のNGF様作用物質lactacystinの作用機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 04671367
研究機関北里大学

研究代表者

田中 晴雄  北里大学, 薬学部, 教授 (40118823)

研究分担者 片桐 雅子  北里大学, 薬学部, 助手 (60255362)
松崎 桂一  北里大学, 薬学部, 助手 (20229454)
池田 穂高  北里大学, 薬学部, 助手 (70232197)
池田 治生  北里大学, 薬学部, 助教授 (90159632)
キーワードLactacystin / 作用機作 / 神経突起 / Neuroblastoma / Neuro 2A 細胞 / 細胞周期 / NGF様作用 / Calyculin A
研究概要

当研究室で発見した神経突起伸長促進物質lactacystin(LC)のNeuro 2a細胞に対する作用機構に関する平成5年度の研究で下記の結果を得た。
1.これまでの電子顕微鏡による観察に加え、LC(1.3muM)によるacetylcholinesterase活性の上昇が確認されたことから、LCの添加によって生じたNeuro 2a細胞の突起が神経突起であることが形態的にも機能的にも証明された。
2.LCによる神経突起伸長作用にたいする各種protein kinase阻害剤の影響を調べたが、影響を及ぼすものは見あたらなかった。ところが、protein phosphatase阻害剤であるcalyculin A(0.5nM)によりLC添加後1日目に観察される双極性突起伸長が抑制されるが、3、4日後に観察されるネットワーク形成に対しては影響を及ぼさなかった。従って、双極性突起とネットワークの形成は異なる機構によるものであり、双極性突起の伸長にはprotein phosphataseが関与していることが明らかとなった。
3.LCによる細胞周期の停止(G1,G2 arrest)が観察されたので各種細胞周期阻害剤の影響を調べた。その結果、histone deacetylase阻害剤trichostatin A(270nM)でネットワーク形成が認められたが、cholhichineやaphidicholineでは突起伸長は認められなかった。従って、細胞周期の停止のみで突起伸長が起こるとは考えられず、突起伸長にとって細胞周期の停止は必要条件ではあるが、十分条件ではないと考えられる。
LCの神経突起伸長作用は、これまでに知られているものとは異なる新しい機構によると考えられ、細胞周期の停止機構の解明とともに今後の興味ある研究課題である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T、Sunazuka: "Total synthesis of (+)-lactacystin,the first non-protein neurotrofic factor." J.AM.Chem.Soc.115. 5302-5302 (1993)

  • [文献書誌] H.Tomoda: "Specific binding of beta-lactone 1233A to HMG-CoA synthase." J.Antibiot.46. 872-874 (1993)

  • [文献書誌] Y.Tanaka: "Phthoxazolin A a specitic inhibitor of cellulose biosynthesis from microbial origin." J.Antibiot.46. 1214-1218 (1993)

  • [文献書誌] S.Omura: "Isochromophilone I and II,novel inhibitors against gp120-CD4 binding from Penicillium sp." J.Antibiot.46. 1908-1911 (1993)

  • [文献書誌] H.Ikeda: "Transposon mutagenesis by Tn 4560 and applications with avermectin-producing Streptomyces avermitilis." J.Bacteriol.175. 2077-2082 (1993)

  • [文献書誌] 田中晴雄: "微生物由来の受容体作用物質" バイオサイエンスとインダストリー. 51. 283-289 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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