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1992 年度 実績報告書

ヒト骨髄性白血病細胞の分化誘導にかかわるシグナル伝達

研究課題

研究課題/領域番号 04671369
研究機関昭和大学

研究代表者

武田 健  昭和大学, 医学部, 助教授 (80054013)

研究分担者 巌本 三寿  昭和大学, 医学部, 助手 (50176567)
キーワードヒト骨髄性白血病細胞 / 分化誘導 / TNF / TNFレセプター / エンテロトキシン / ADP-リボシレーション / GTP結合タンパク質 / シグナル伝達
研究概要

白血病細胞は従来の抗癌剤と異なる特異な分化誘導物質の処理で分化成熟し、増殖性や造腫瘍性が喪失する現象が明らかになっている。我々は先にinvitro培養系で末梢血単核白血球が産生する分化誘導因子を精製し、それが腫瘍壊死因子であることを同定した。TNFの作用はコレラトキシンと併用することにより著しく高まることが判明した。初年度はTNFの分化誘導の作用機序、相乗効果の機序を検討するためTNFレセプターの動態、コレラトキシンによるADP-リボシル化反応の役割について調べた。TNFには2種のレセプターの存在が知られているが、^<125>I-標識TNF、それぞれのレセプターに対する特異抗体を用いてヒト骨髄性白血病細胞ML-1のTNFレセプターについて解析した。
その結果、(1)75kDaレセプターが80%、55kDaレセプターが20%の割合で膜上に存在し、(2)それぞれのレセプターは分化誘導のシグナルをメディエイトしており、(3)両方からのシグナルが合わさると相乗的に分化が誘導されることが明らかになった。また、(4)コレラトキシン処理により、75kDaレセプター数が増加し、55kDaレセプター数が低下することが明らかになった。この変動がTNFとの相乗作用にどのような意味をもつのか不明である。
病原性大腸菌のエンテロトキシンもコレラトキシン同様にTNFと併用すると強い相乗作用を示すことが明らかになった。エンテロトキシン変異体を用いた研究等から、GTP結合タンパク質Gs-アデニレートサイクラーゼ以外のGタンパク質をADP-リボシル化し、それにカップルするエフェクターを介して分化を導誘していることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 武田 健、巌本 三寿: "分化誘導促進因子TNFの骨髄性白血病細胞 分化誘導因子" 造血因子. 3. 233-239 (1992)

  • [文献書誌] 武田 健、巌本 三寿、竹田 稔: "TNFとリンホトキシン-構造と作用の違いとレセプター" 別冊医学のあゆみ「サイトカイン-基礎から臨床応用まで」. 66-70 (1992)

  • [文献書誌] Iwamot,S.,Takeda,K.Ueda,T.and Yasuhara,H.: "Oxygen Radicals" Elsevier Science, 811-814 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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