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1993 年度 実績報告書

ヒト骨髄性白血病細胞の分化誘導にかかわるシグナル伝達

研究課題

研究課題/領域番号 04671369
研究機関昭和大学

研究代表者

武田 健  昭和大学, 医学部, 助教授 (80054013)

研究分担者 巌本 三寿  昭和大学, 医学部, 助手 (50176567)
キーワードヒト骨髄性白血病細胞 / 分化誘導 / TNF / TNFレセプター / シグナル伝達 / コレラトキシン / ADP-リボシレーション / GTP結合タンパク質
研究概要

白血病細胞は従来の抗癌剤と異なる特異な分化誘導物質の処理で分化成熟し、増殖性や造腫瘍性が喪失する現象が明らかになっている。また最近、ある種の分化誘導物質は通常の抗癌剤に難治性の前骨髄性白血病患者に対し治療効果を示すことが明らかにされた。しかし、骨髄性や単球性の白血病患者に有効な物質はまだみつかっていない。
我々はin vitro培養系で抹梢血単核白血球が産生する分化誘導因子を精製し、それが腫瘍壊死因子(TNF)であることを同定した。さらに最近TNFの作用はコレラトキシンと併用することにより著しく高まりヒト骨髄性白血病細胞ML-1の95%以上が成熟マクロファージ様細胞に分化し、増殖が停止することを見いだした。本研究は上記実験系で、両物質併用による分化誘導のシグナル伝達機構を明らかにし、今後副作用の少ない有効な分化誘導物質を開発していくための基礎的情報を提供する事を目的とした。今年度はTNFレセプターに焦点をあて、分化誘導における二つのレセプターの役割について解析した。
ヒト骨髄性白血病細胞ML-1に発現する二つのTNFレセプターと分化誘導の関係を^<125>I-TNFと2つのレセプターに特異的なモノクローナル抗体を用いて解析した結果、以下の点が明らかになった。(1)分化は55kDaあるいは75kDaのどちらか一方の刺激で誘導される。(2)両方のレセプターの刺激で分化は相乗的に誘導される。(3)エンテロトキシン処理で75kDaレセプター数が増加する。(4)一次構造的に30%のホモロジーを有するリンホトキシンは、分化誘導活性をほとんど示さない。(5)リンホトキシンの結合活性はどちらのレセプターに対してもTNFの約1/3程である。しかし、75kDaレセプターに対する刺激が極めて弱いことが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takeda,K.et al.: "Roles of two tumor necrosis factor receptors in induction of differentiation of ML-1 cells." Anticancer Res.13. 883-886 (1993)

  • [文献書誌] Iwamoto,S.et al.: "Lymphotoxin lacks effects on 75kDa receptors in cytotoxicity on U-937 cells." Biochem.Biophys.Res.Commun.(in press).

  • [文献書誌] Hori,M.et al.: "Down regulation of c-myc expression by TNF in combination with TGF-beta or IFN-gamma with concomitant inhibition of proliferation in human cell lines." J.Interferon Res.in press.

  • [文献書誌] 武田,健: "サイトカインによる分化誘導療法" 医学のあゆみ. (in press). (1994)

  • [文献書誌] 武田,健: "癌に対する生体防御機構" 共和出版, 171 (1993)

  • [文献書誌] 武田,健: "動物培養細胞マニュアル" 共立出版, 368 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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