研究課題/領域番号 |
04671375
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
福田 英臣 日本大学, 薬学部, 教授 (50080172)
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研究分担者 |
伊藤 芳久 日本大学, 薬学部, 専任講師 (50151551)
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キーワード | GABA_A受容体 / ビククリン / 亜急性投与 / クロライドイオンチャネル / ^<36>Cl^-取込み / アップレギュレーション |
研究概要 |
本年度は、GABA_A受容体アンタゴニストのビククリン(2 mg/kg i.p.)を急性または亜急性に投与した場合のGABA_A受容体の変化を、クロライドイオンチャンネルの機能の面から検討した。ビククリン急性投与群には、生理食塩水を9日間投与し、10日目にビククリン2 mg/kgを投与した。亜急性投与群には、ビククリン2 mg/kgを10日間投与した。コントロール群には、生理食塩水を10日間投与した。投与は1日1回とし、すべて腹腔内投与とした。最終投与24時間後に各群のラットの脳を摘出し、各部位のシナプトニューロソーム画分を調製し、この画分におけるGABA_Aアゴニストのムシモールによる^<36>Cl^-の取込みを調べた。ビククリンの亜急性投により、小脳ではムシモールによる^<38>Cl^-取込みがコントロール群や急性投与群に比べて有意に増加したが、大脳皮質および海馬では変化は見られなかった。この亜急性投与による小脳のムシモール依存性^<36>Cl^-取込みの上昇は、Vmax値の変化によるもので、ムシモールの受容体に対する親和性には変化は認められなかった。このことは、小脳においてのみGABA_A受容体と共役するクロライドイオンチャンネルの機能がアップレギュレーションを受けたことを示している。またこれらの結果は、我々がすでに受容体結合実験から明らかにしたビククリン亜急性投与による受容体のアップレギュレーションが、クロライドイオンチャネルの機能に反映されていることを示唆している。昨年度の結果より、GABA_A受容体機能の多様性を明らかにしたが、今年度の研究において、ビククリン亜急性投与により、部位特異的なGABA_A受容体のアップレギュレーションが起こったことから、GABA_A受容体機能の多様性がさらに明らかとなった。
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