研究課題/領域番号 |
04671380
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小木曽 太郎 近畿大学, 薬学部, 教授 (60082971)
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研究分担者 |
谷野 公俊 近畿大学, 薬学部, 助手 (90236703)
岩城 正宏 近畿大学, 薬学部, 講師 (30140346)
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キーワード | ペプチド経皮吸収 / ウナギカルシトニン / エビラチド / 骨粗鬆症治療 / 経皮吸収促進 |
研究概要 |
1.エルカトニン(ウサギカルシトニンの半合成品)経皮吸収製剤の骨粗鬆症治療における有効性 ラットの実験的骨粗鬆症に対するエルカトニン経皮吸収剤の有効性を検討した。骨粗鬆症は、雌ラットの卵巣摘出後低カルシウム食を2カ月間与え作製した。骨粗症を発症したラットの腹部に、エルカトニン(El)ゲル軟膏、El+V.D_3軟膏、V.D_3軟膏、エストラジオール+V.D_3軟膏及びプラセボ軟膏を、2-3日間隔で48時間適用を6回行った。これら軟膏のうち、El軟膏とEl+V.D_3軟膏が、プラセボ軟膏に比較して、ラットの頸骨灰分及びカルシウム含量を有意に増加し、血清アルカリホスファターゼ活性を減少した。この結果は、軟膏適用後Elが経皮吸収され、骨カルシウムを増加するので、これら経皮吸収剤が骨粗鬆症が治療に有効であることを示唆する。 2.エビラチドの経皮吸収と血中濃度の持続 老人性痴呆のための治療用ペプチドとして開発されたエビラチドの経皮吸収を検討した。[^<125>I]エビラチドはin vitroでラット皮膚を0次速度で透過した。EDTA、n-オクチルチオグルコシド(OTG1.5%)とタウロコール酸(1.0%)を含むゲル軟膏からのエビラチドの皮膚透過が用いた軟膏中最大であった。透過性の順序はEDTA+OTG+タウロコール酸軟膏(Rp.3)>OTG+タウロコール酸(Rp.2)>グルコシルシクロデキストリン+OTGであった。これらゲル軟膏をラットの腹部に適用した時、処方3と2は吸収促進剤のない場合に比較して血漿中で高い放射活性を示した。またその放射活性は量的に少ないが脳中にも観察された。したがってエビラチドは吸収促進剤存在下経皮吸収されることを明らかにした。
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