研究概要 |
本年度の研究成果は以下のとおりである. 1.適用限界及び測定原理の解明 (1)誘導の影響 第I,II,III誘導のうち,どの二つの誘導を用いても,理論的には同じことになるが,これは近似なので,実験的な確認を試みた.心ベクトルループの方向変化と一回換気量との相関係数に誘導の組み合わせによる有意差が出なかったのは,7人の被験者中2人のみであった. (2)姿勢の影響 仰臥位,右側臥位,左側臥位,座位で,心ベクトルループの方向変化と一回換気量との回帰直線の傾き及び相関係数を求めた.姿勢によって回帰直線の傾きは変化したが,相関係数は高い値を示した.姿勢の影響は,被験者によって表れ方が異なった. (3)異常心電図の影響 心室性期外収縮が発生すると,QRS検出に誤りが生ずることがあった. 2.睡眠時無呼吸の検出 5人の正常者に閉塞型無呼吸を模擬させて計測を行ったところ,2例で呼吸停止状態がはっきり表れ,3例で異常パターンが認められたので,閉塞型無呼吸を本法で検出できると考えられる.
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