研究概要 |
本研究の基礎は,旧従業員の健康診断の実施とその結果の解析である。現有把握している旧従業員310名のうち,地区を考慮して今回は2月4・5日に164名の健康診断の呼び出しを行った。 健康診断受診者は,男60名,女95名の合計155名で,受診率は94.5%であった。 今回受診者についての基本データの概略を報告するが,忠海工場経験者の11名(男)は今回の報告から除いた。その結果,男49名の平均年齢は70.2±4.8歳,女95名のそれは68.3±3.8歳であり,男女差は余りないが高齢化がうかがわれた。なお,最高齢は男86歳,女79歳,下は男63歳,女62歳で,最多年齢層は男女とも65〜69歳であった。 これらの工場就業年齢をみると,女18.7±4.2歳,女17.0±2.6歳で男が約2歳就業年齢は高かった。就業時の最高,最低年齢は男は34歳,14歳,女は25歳,13歳であった。 健康診断結果の概要では,Aの「今回の検査に異常を認めなかったもの」は2.1%,Bの「軽度の異常を 認めるも,日常生活に差し支えなし」としたものは5.6%で,ほとんどの人がC「医師の指示をうけること」,D「医師の治療を受けること」の指示者で,かつ,その多くは合わせてE「再検または精密検査を受けること」の指示をした。 毒ガスの後遺症としての検討は,次年度の健診結果と合わせて行う。
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