研究課題/領域番号 |
04671437
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岡部 紘明 熊本大学, 医学部, 教授 (20185466)
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研究分担者 |
宇治 義則 熊本大学, 医学部, 助手 (90203512)
岡嶋 研二 熊本大学, 医学部, 講師 (60152295)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | Quartz Crystal Resonator / Oscillator / Blood Coagulation Factor / Fibrinogen / Thrombin / Piezoelectric Sensor / Viscosity |
研究概要 |
水晶振動子(発振子)は物理的にも、化学的にも安定している。圧電効果を利用して水晶自体が持つ固有の機械的振動を電気回路に接続して、種々の機器で利用している。水晶発振子の電極は質量変化に鋭敏で、基本振動数との間には比例関係が有り定量分析に応用できる。又抗体等の蛋白も結合する為、各種抗原・抗体反応とも応用されている。我々はプロテアーゼ添加でフィブリノーゲンをゲル化させ水晶振動子の周波数変化を、DICや急性相炎症マーカーである血漿フィブリノーゲンの測定に応用した。 測定方法の確立:測定用素子はATカット水晶振動子(9MHz)・銀電極を用い、片面をセルローズフィルムとシリコン樹脂で被覆し、露出面はフィブリノーゲンによるブロッキングが必要であった。5ml恒温セルに水晶発振子を装着し、50mMトリス緩衝液、pH7.5で検体又は標準フィブリノーゲンを添加する。0.1mlの560NIH単位トロンビンの添加で、1分間当たりの変化率をフィブリノーゲン標準液又はキャリブレータから計算した。日常検査法は濁度で自動分析装置で測定した。1NIH単位は10mg/mlのフィブリノーゲンを28゚C、15秒で凝固させる量と定義した。 結果:1)水晶振動子に吸着したフィブリノーゲンはトロンビンにより周波数変化を認めなかった。2)用手法及びスターラー撹拌は、初期には液面の波動による、周波数変化を来す。スターラーは変化が遅れるが、再現性は良好であった。レートアッセイは迅速で再現性が良いが、変曲点の確認が難しく、本法ではエンドポイントで7分間での変化量を一分間の平均変化量として用いた。3)本法の直線性は50-400mg/dlで、同時再現性はCVは2.29-7.97%であった。4)日常測定法との相関係数はγ=0.702,回帰曲線はY=1.89X-110.21(N=26)であった。5)本法での血漿フィブリノーゲン濃度は170-390mg/dlであった。
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