研究課題/領域番号 |
04671447
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
井上 智子 千葉大学, 看護学部, 助教授 (20151615)
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研究分担者 |
佐藤 まゆみ 千葉大学, 看護学部, 助手 (10251191)
吉田 千寿 千葉大学, 看護学部, 助手 (00241977)
武田 祐子 千葉大学, 看護学部, 助手 (80164903)
佐藤 禮子 千葉大学, 看護学部, 教授 (90132240)
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キーワード | 臓器移植 / クオリティ・オブ・ライフ / 死体腎 |
研究概要 |
本年度は、前年度の(1)文献的検討、(2)移植患者からの実態調査、(3)移植候補者に関する調査から得られた、死体腎移植患者のクオリティ・オブ・ライフを考える上で重要な、身体・心理・社会的問題点に焦点を絞り、より具体的な内容を明らかとし、それぞれの問題点がどのように関連しているのかを追究した。 死体腎移植患者のQOL、ならびに移植患者に多い術後精神症状についての文献的検討と、平成4年度中に実施された、死体腎移植患者4名への移植直後の面接を終えた。 その結果、移植を希望する患者は潜在的にはかなりの数にのぼると見られるが、実際の登録手続きがわからない、登録しても移植の確率は低い等で、多くの期待は寄せていない。しかし、突然のドナーの出現の際には通常15分以内の返答を迫られ、十分な心の準備もできぬままに手術に望むケースが多く、術前の不安や過度の期待を術後に持ち越すことが術後の不適応に関連していると考えられた。 また、ドナー家族への感謝の手紙には全員が同意を示し、執筆ならびにドナー家族への仲介を行った。しかし、身体の回復の思わしくないものは、内容が表面的かつ儀礼的であることが多く、死者の臓器をもらうという出来事が一個人に与える大きさを伺わせた。 術後回復期における新たな健康管理における問題点や、家庭・社旗復帰に伴う問題点、移植を受けたことによる心理的変化については、移植から月日を経た面接が不可欠と思われ、今後の追跡調査を計画している。
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