本研究は、東京女子医科大学病院の神経内科および脳神経外科病棟を生存退院した20才以上の患者/家族に対して1年后に追跡調査を実施しその中で、特に日常生活動作レベルからみた障害度と、ホームケアにおける患者・家族が支払ったコストとの関連を検討したものである。 費用の算定にあたっては、医療費支出などの直接費用と、それとは別に家族による介護時間から測定された間接費用を算定することとした。 その結果、日常生活動作からみた障害度のレベルをKatz Indexを一部改変したもので尺度化すると、ガットマンのいう階層的一次元性が認められ、障害度は4つに類型化することができた。 この尺度から求めた障害度別にコストの変動を検討すると、医療費支出などの直接費用は、障害度が高くなっても、それほど大きな変動はみられなかった。しかし、間接費用の方は、障害度が高くなるにつれて、急激に増加する傾向を示していた。 また、障害度が高くなるにつれて、支出された費用の個人別にみた変動が大きく、このことは、障害度が高くても、ケアの提供は少ない人も存在することを意味している。これはまた、この段階の度の患者のデータの信頼性が低くなる原因にもなっていた。 そこで、現在、さらに過去4年間に生存退院した患者・家族について調査を追加する準備を進めている。ここでは、障害度と年令および病名等をケースミックスにして、それと費用の推移との関連をさらに検討する予定である
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