研究課題/領域番号 |
04671454
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研究機関 | 名古屋市立大学看護短期大学部 |
研究代表者 |
松下 美恵 名古屋市立大学看護短期大学部, 教授 (30241201)
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研究分担者 |
土川 隆史 静岡大学, 人文学部・社会学科, 教授 (50022380)
池田 玉味 名古屋市立大学看護短期大学部, 助手 (20259352)
水野 金一郎 名古屋市立大学看護短期大学部, 教授 (70079995)
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キーワード | 自然流産 / 習慣流産 / 悲嘆過程 / カウンセリング |
研究概要 |
平成3年より、自然流産を経験した女性の流産後の気持ちを明らかにするため紙面調査を行い、この調査のなかで臨床心理士による治療面接(カウンセリング)の紹介をした。そして、カウンセリング希望者29名のうち、時間的調整のとれた14名に対して、流産後の悲しみからの回復をめざす治療面接(カウンセリング)を実施した。また、流産前後の患者およびコントロール群、治療面接(カウンセリング)をうけた患者に対し、効果判定のための心理テスト(MMPI)を行った。 その結果、患者は流産した月日や処置のこと、夫や家族、周囲の人たちの言動と、それに反応した自己の不快な感情を鮮明に記憶していた。そしてその記憶は年月を経ても、子どもを得た場合も再現されていた。これら流産時の不快な記憶の再現は、夫と十分話し合えないことから『気持ちのずれ』が起き、それをきっかけとして気持ちを不安定にしていたと考えられた。とくに初回の妊娠は、夫や家族の期待が大きく、また、夫や家族とのコミュニケーションが十分確立していない時期であるため、流産になった場合は家族の人間関係を複雑にしていると考えられた。 流産後の治療面接(カウンセリング)は、患者が気持ちを表現することで、感情を自分自身でコントロールする力を強め、気持ちの安定へとつながった。このことから、流産後のカウンセリングの効果が確認された。 カウンセリングの効果判定として行った心理テスト(MMPI)については現在解析中であり、今後、検討していきたい。なお、これらの詳細については、科学研究費補助金研究成果報告書に掲載した。
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