研究課題/領域番号 |
04671454
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 名古屋市立大学看護短期大学部 (1993-1994) 名古屋市立大学 (1992) |
研究代表者 |
松下 美惠 名古屋市立大学看護短期大学部, 教授 (30241201)
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研究分担者 |
土川 隆史 静岡大学, 人文学部・社会学科, 教授 (50022380)
池田 玉味 名古屋市立大学, 看護短期大学部, 助手 (20259352)
水野 金一郎 名古屋市立大学, 看護短期大学部, 教授 (70079995)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 自然流産 / 習慣流産 / 悲嘆過程 / カウンセリング |
研究概要 |
平成4年度から平成6年度までの研究では、自然流産後の患者、総数508名を対象とした紙面調査および希望者には流産後の悲しみからの回復をめざすカウンセリングを行った。その結果、紙面調査からは、流産後によく思い出すこと、流産後によく経験する感情、流産直後と流産後4か月時の妊娠に対する考え方の違い、流産後に医療施設を変更した理由と流産回数との関連、流産という出来事を乗り越えるために行ったこと、悲しみから立ち直る過程での、夫など支援者に対する流産後の評価、満足度、望む支援などについて明らかにできた。 なかでも、流産後に経験した感情のうち、病的な怒り・ふつうの怒り・不信感・非難の感情を向けた対象として挙げたのは、多い順に、自分自身、医療従事者、義理の親族、夫であり、感情の内容では、怒りは義理の親族に、不信感は医療従事者に、非難の気持ちは自分自身に向けられていた。感情を誘発した因子は、医療従事者や夫には、流産前後の態度に関するものの割合が多いのに対し、義理の親族では、患者に向けられる非容認的な言葉が要因と考えられた。そして、感情の矛先は、患者と同居する者と関係する傾向があること、また、義理の親族と同居する者は、別居の場合と比較し、その訴えが有意に強いことが解明できた。そして、悲嘆過程は流産後3ヵ月以上経過しても持続し、流産経験のある者がない者に比べ気持ちが混乱しやすい傾向にあることも分かった。 流産後の治療面接(カウンセリング)は、患者は気持ちを表現することで感情を自分自身でコントロールする力を強め、気持ちの安定へとつながった。このことから、流産後のカウンセリングの効果が確認された。カウンセリングの効果判定として行った心理テストについては現在解析中であり、今後の課題としたい。
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