Polymerase chain reaction(PCR)による遺伝子増幅後、single strand conformation polymorphism(SSCP)分析法により、われわれは、インスリン非依存性患者70人と正常人50人においてグルコキナーゼ遺伝子とインスリン受容体遺伝子の遺伝子解析を行った。グルコキナーゼ遺伝子に関しては、4種類、計6人にグルコキナーゼ遺伝子変異を認めた。しかし、3種類はイントロン部分で残りの1種類は第4エクソンの146番目のインセント変異(アミノ酸置換を伴わない変異)であった。イントロン変異によりアミノ酸配列が異なる場合もあるが、われわれが発見した変異はスプライシングの異常をきたさない変異と考えられた。以上の結果からインスリン非依存型糖尿病患者の約9%にグルコキナーゼ遺伝子の多型は認められるものの、グルコキナーゼの質的な変化をきたすものではないと考えられた(現在、論文投稿中)。インスリン受容体に関しては、現在もなお解析中である。
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