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1992 年度 実績報告書

糖尿病性腎症における細胞外基質異常の分子生物学的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 04671481
研究機関岡山大学

研究代表者

槙野 博史  岡山大学, 医学部, 助手 (50165685)

研究分担者 四方 賢一  岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
柏原 直樹  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10233701)
池田 修二  岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10212771)
二宮 善文  岡山大学, 医学部, 教授 (70126241)
キーワード糖尿病 / 細胞外基質 / 腎臓 / 糸球体 / IV型コラーゲン / 遺伝子 / プロテオグリカン / 免疫電顕
研究概要

細胞外基質はIV型コラーゲンを初めとするコラーゲン,ラミニン,プロテオグリカン等より構成されていることが明かにされてきた。糖尿病性腎症においてはIV型コラーゲンの質的及び量的異常とプロテオグリカンの減少が推測されている。これは,糖尿病腎糸球体細胞の形質変化によるものと考えられている。まずネフローゼ症侯群を呈する糖尿病性腎症患者腎組織の免疫電顕による検討ではIV型コラーゲンの密度の低下と基低膜肥厚による量の増加とヘパラン硫酸プロテオグリカンの減少が認められた。これらの変化は糸球体基低膜のsize barrierとcharge barrierの障害を反映しており蛋白尿の成因と考えられていた。次にIV型コラーゲンの異常を更に検討するために,我々はIV型コラーゲンの新しい鎖,α4鎖のcDNAのクローニングを行い,NC-1domainを含む1.9kbのcDNA(NK4)を得,ノーザンブロットによる検討ではα4鎖mRNAのサイズは約9.5kbとα1,α2と比して大きかった。糸球体におけるIV型コラーゲンα1-α4鎖とbasement membrane associated‐collagen(BAC)の局在の蛍光抗体による検討ではα1・α2鎖は糸球体メサンギウムから糸球体係蹄壁に局在した。α3・α4鎖は主に糸球体係蹄壁に局在した。BACはメサンギウム基質に限局していた。糖尿病性腎症患者の腎生検切片による検討では拡大したメサンギウム基質及び肥厚した糸球体基低膜におけるこれらα1-α4鎖とBACの染色は増強していた。糖尿病性腎症における間質型・線維型コラーゲンの関与を検討するために,III・V・VI型コラーゲンの局在を検討した。III型コラーゲンは正常では間質のみに存在し,V・VI型コラーゲンはメサンギウムにも局在した。糖尿病性腎症においては、これらのコラーゲンはメサンギウムに著明に増加していた。これら間質・線維型コラーゲンも糖尿病性腎糸球体硬化症の進展に関与していると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hirofumi Makino: "Ultrastructural changes of extracellular matrices in diabetic nephropathy revealed by high resolution scannirg and immunoelectron microscopy" Laboratory Investigation. 68. 45-55 (1993)

  • [文献書誌] Hirofumi Makino: "Distribution of a novel chain of basement membrane associated collagen in the renal tissue" Connective Tissue. 24. 163-168 (1992)

  • [文献書誌] 槙野 博史: "糸球体硬化における細胞外基質の分子生物学的研究" 日本臨床. 50. 3038-3045 (1992)

  • [文献書誌] 槙野 博史: "糖尿病における腎・糸球体肥大と硬化のメカニズム" 腎と透析. 33. 855-860 (1992)

  • [文献書誌] 槙野 博史: "糖尿病性腎症におけるコラーゲンの異常-特にIV型コラーゲン鎖について -糖尿病記録書1992" 医学図書出版株式会社, 4(221-224) (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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