研究課題/領域番号 |
04671504
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武藏 学 北海道大学, 医学部, 助手 (00120064)
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研究分担者 |
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 造血幹細胞 / 造血前駆細胞 / 芽球コロニー / IL-11 / ホルボルエステル / プロティンキナーゼC / カルホスチンC / ハービマイシンA |
研究概要 |
本研究はin vitroで検出可能な最も幼弱な造血前駆細胞である芽球コロニー形成細胞におけるinterleukin-11(IL-11)の細胞内シグナル伝達機構を明らかにすることを目的とした。まず培養株細胞でのシグナル伝達機構が良く解明され、かつIL-11に類似する作用を有するIL-6と、protein kinase C(PKC)の活性化剤であるphorborester(TPA)によるコロニー形成におけるシグナル伝達について、特異的PKC阻害剤calphostin Cと特異的tyrosin kinase(TK)阻害剤Herbimycin Aを用いて検討した。IL-6とTPAは単独ではコロニーを形成しなかったが、併用により有意のコロニーを形成し、このコロニー形成はcalphostin CまたはHerbimycin Aにより抑制され、IL-6+TPAのシグナルはPKCおよびTKを介することが示唆された。骨髄細胞とTPAとの慢性的接触(PKCのダウンレギュレーション)はIL-6+TPAによるコロニー形成を完全に抑制し、IL-6+TPAのシグナルはPKCを介することを支持した。TPAの作用を抑制するcalphostin Cの濃度は100-200nMであり、これはcalphostin CのPKCに対するIC50の2-4倍であった。一方、IL-6の作用を抑制するHerbimycin Aの濃度は100-200ng/mlであった。次にこれらの阻害剤を用いて、IL-11によるIL-3依存性芽球コロニー形成の増強が打ち消されるか否かを検討することにより、IL-11のシグナル伝達機構を類推することとした。200nMのcalphostin CはIL-3単独およびIL-3+IL-11によるコロニー形成をほぼ完全に抑制した。細胞をIL-11単独あるいはcalphostin Cと共に8時間前培養し、洗浄後IL-3と2週間培養するとIL-11によるIL-3依存性芽球コロニー形成の増強が打ち消された。同様の結果がHerbimycin A(200ng/ml)でも観察され、IL-11のシグナルはPKCとTKとを介することが示唆された。現在、免疫細胞化学的方法によりこの確認を行っている。
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