染色体9の長腕の欠失している症例よりDNAを抽出し、PFGEにて泳動を行ない欠失部位近傍のプローブを得た。当初より遺伝子の欠失部位が広範囲におよぶために数種類のプローブで検討した結果、サイズの異なるDNA断片を得た。これが遺伝子多型性と異なることを患者の寛解期のDNAで確認した。次に、サイズの異なるDNA断片をクローン化するためにgene walkingを行ったが、プローグより5'上流域には、GC含有の多い領域が存在する為にクローン化が困難であった。現在は、新らたな第9染色体上のプローブを使い欠失部位の範囲の同定を行っており、また、クローニングに備えてrodentとのhybridを作製している。第9染色体のみが残っているsomcctic cell hybridは単離されていないが、第9染色体を含む数個のヒト染色体のみが残存しているクローンは得られており、これらを材料としてヒトゲノムライブラリーを作製する予定である。また、同様な方法でのcDNAライブラリーの作製も予定しておりこの場合には患者検体からのmRNAをプローブとして用いて陽性クローンの検出に努める予定である。
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