得られた研究成果を箇条書きにすると以下のようになる。 1 高密度領域でZ放電動作せて形成されるプラズマのパラメータを正確にスケーリングするため、容量4.4μF、最大充電電圧30kVの定格をもつコンデンサーにより高速Z放電を形成した。高速ストリークカメラによる主発光領域の放電挙動の時間空間分布の解析、分光器・高電子増倍管を用いた分光測定による電子密度の時間・空間分解計測を行い、放電ダイナミクスを明らかにした。 2 放電過程を含めたMHDモデルによる数値シミュレーションとの比較を行い、Z放電プラズマの挙動を定量的に検討した。 3 本研究の様に比較的高密度領域でZ放電プラズマ形成を行う場合、放電中心軸上で電子密度のピークが形成されるのは、電流層によって駆動される衝撃波が中心軸上に収束、反射することによることがわかった。また、放電領域には磁気圧により収縮する領域と高温プラズマの圧力により膨張する領域があらわれ、プラズマは複雑に時間・空間変化する内部構造を持つことを明らかにした。 4 100GW級のパルスパワー電源により高エネルギー領域でのZ放電プラズマ挙動を調べ、高エネルギー入力領域でのプラズマパラメータのスケーリングを行った。 以上の得られた結果を総合的に検討した結果、短パルスZ放電プラズマは、大エネルギー出力の短波長光源として有効であるばかりでなく。プラズマと放電パラメータを適切に適合させる事により、Z放電プラズマを媒質にしてXUVから軟X線領域でレーザー動作できる可能性があることが明らかになった。
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