蟻酸レーザー干渉計を用いてプラズマ中心と外側6cm(磁場逆転面近く)の所でプラズマの密度揺動を測定した。結果は6cm外側での揺動レベルが高く、周波数も中心のものに比較して約2倍高い事が分かった。これはエルゴデイク磁場形成に伴う密度揺動が磁場逆転面で増幅されている事を示している。高速度カメラによる測定でも、両者の違いは確認された。逆転面近くではプラズマの発光が頻繁に観測される。この結果は、磁気島の重畳に伴う揺動が、m(ポロイダルモード数)=0だけではない事を示している。 又、磁気島の重畳とトロイダル磁束の変化との関係が確認された。これ迄は、磁気島の重畳は、トロイダル磁束の増加と同期している事を予想していたが、測定結果は、トロイダル磁束の減少と同期している事が分かった。但し、前駆現象としてトロイダル磁束の増加を伴っている。 イオンの加速は磁気島の重畳によるプラズマの発光と同期している。我々のRetarding Potential Analyzerを用いた測定結果では、イオンのエネルギーは単色的で約3keVと高い。粒子束も極めて大きく、スパッタリングにより真空容器から金属の不純物をプラズマ中にたたき出すことも観測された。電流遮断前に磁気島の重畳が頻繁となり、同時に鉄等の不純物の発光強度も増大する。これらの測定結果は、keV程度のイオンの存在を裏づけるものであり、他のRFP装置での観測結果と違うので、新たな加速機構を考える必要がある。 又、周辺部のプラズマの輸送現象について、いくつかの報告があるが、磁気島の重畳が支配的であるという報告はない。これは全く奇妙な事なので、これから詳しく調べる予定である。
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