計算機ネットワークを用いて、地理的に分散された地点にいる複数の人々(グループ)のグループ作業を支援するアプリケーションを統一的に構築する際に、その拠り所となる基本骨格(platform)を提供するためのグループコンピューティング方式の在るべき姿を研究した。 研究は、まずグループモデルの作成を行い、次にこのモデルに基づいたグループコンピューティングシステムを試作し、これをグループでプログラミングする事例に適用・評価する。最後に、その結果を踏まえて、グループの分散協調作業を支援する新しいグループコンピューティング方式へアプローチするという手法で、下記のように実施した。 (1)グループモデルの考察 さまざまなグループの事例を収集し、それらのグループに共通する特性を抽出し、グループの新しい分類法を考察した。 (2)グループモデルの作成 計算機構、コミュニケーション形態、情報の共有・私有機構、(作業の)場、およびグループ構成の相違に基づいてグループモデルを作成した。 (3)グループコンピューティングシステムの設計と試作 (2)のモデルを実現するグループコンピューティングシステムのためプラットフォームGIFTCARDを試作した。これは、サーバ/クライアント方式により、グループ認証、共有資源アクセス、グループ通信機能を提供するものである。 (4)GCS基本機能の試用 (3)で作成したGIFTCARDシステムの基本機能を学生のグループプログラミング環境で試用することにより、問題点の洗い出しと検討を行った。
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