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1992 年度 実績報告書

分化の全能性を持つ胚性幹細胞の分離培養と遺伝子移入による魚類胚工学の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04680045
研究機関東海大学

研究代表者

兵頭 昌雄  東海大学, 開発工学部, 教授 (60096253)

キーワードメダカ / 胚性幹細胞 / キメラ / トランスジェニック / ジーントラップ / 培養細胞 / lacZ遺伝子
研究概要

1.胚性幹細胞の分離と移植: この研究課題の第1の目的は、胚性幹細胞の移植によるキメラ魚の作製である。メダカ胚への細胞の移植には、直径約30-50μmのマイクロキャピラリーを用いる必要があるが、硬い卵膜が障害となる。このため卵膜を切除する方法を試みた。卵膜外に出た胚は、生理的食塩水中で正常に発生するが、特に最初の24時間のうちは破裂しやすく扱いが困難であった。つぎに卵膜を孵化酵素によって消化する方法を試みた。受精卵を孵化酵素液中でインキュベートすると、数時間で卵膜のうちの内膜が消化され、おもに外膜のみを持つ胚が得られた。このような卵には容易にキャピラリーを挿入することができた。細胞の移植が可能となり、キメラメダカの作製を続けている。
2.メダカ胚細胞の培養:メダカ胚性幹細胞を培養するために、フィーダー細胞として使用する可能性のある、発生の進行した胚の細胞を分離培養し、その性質について解析した。細胞は比較的高濃度の血清を要求するが、飽和密度に達してからも細胞が長時間安定に生存すること、特に培養フラスコのまま低温(約5℃)中で長時間保存できること、など哺乳類細胞とは異なる特徴が見出だされた。
3.メダカ受精卵に対する遺伝子移入:ジーントラップ法を行なうために、メダカの受精卵で第1分裂前に、プロモーターを持たないマーカー遺伝子lacZを注入する実験を行った。またトランスジェニック個体における発現を検出するために、固定標本のX-gal染色について検討した。孵化直後の胚などでは消化管において内在性の酵素による発色が認められたが、それ以外の組織は固定によりほとんど透明となり、組織特異的発現を検出するためには非常に都合がよいことがわかった。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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