研究課題/領域番号 |
04680072
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
今村 幸生 奈良女子大学, 家政学部, 教授 (10031717)
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研究分担者 |
関根 美貴 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80226654)
横山 祐子 (加茂 祐子) 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (80204642)
清水 哲郎 奈良女子大学, 家政学部, 助教授 (40132344)
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キーワード | ライフスタイル / 高齢者 / 貯蓄 / 貯蓄関数 / 年金 / 家計 / ライフステージ / 資産形成 |
研究概要 |
1.高齢者を中心に、わが国のライフスタイルの変化を見ると、高齢者が子世代夫婦と同居するという昔からのスタイルの占める比重が低下の一途を辿り、シングルであるいは夫婦のみで生活する者が最近10年間で8割近くも増加するなど、高齢者をめぐる家族形態の多様化が進行しつつあるといえる。 2.これを家計面から見ると、(1)同じライフステージに属する子世代夫婦であっても、親世代の高齢者の同居如何によって、(2)同じ高齢者世帯であっても、シングルか、ペアか、また同じペアでも有職者の有無によって、家計収支、消費生活パターン、資産保有状況に少なからぬ差異が見られる。その場合、高齢者との同居の如何によって子世代の家計に生じる差異((1))よりも、高齢者世帯間の差異((2))のほうがより大である。 3.ところで、近年、高齢者に対する従来からの経済的弱者というイメージイメージに変化が生じ、リッチなシルバーが注目を集めるようになっているが、同じ家族形態をとる高齢者であっても、その所得分布、資産分布は一様でなく、子世代の場合以上に不平等度は大きいといえる。 4.更に、フローの貯蓄動向を、ライフステージ別に見ると、世帯主が40歳代後半〜60歳代前半の世代においては、1980年代中頃までは、銀行預貯金増を中心とした裁量性の強い貯蓄の比重を高めて来たのに対し、90年代に入ると、逆に生命保険やローン返済など契約的貯蓄のウエイトを高めているが、より豊かなシルバー・ライフのための準備と見ることも出来よう。 今後も、高齢者の存在を軸に、貯蓄動機と貯蓄行動の関連について計量分析を進めるとともに、年金制度が高齢時に向けての資産形成、高齢時における就業・貯蓄行動に及ぼす影響等に関する、より厳密な分析を試みる。
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