1.立位時における足型計測の実施について (1)20歳代の女子70名と65歳以上の女子80名、合計150名について、足部の生体計測とフットプリントおよび足の外郭投影図の採取を実施し、データの多変量解析を行い、立位時の足型特性について、若年層と高齢層の足型の差異等、靴の設計に際して有効な知見を得ることが出来た。それらの成果は1993年5月の日本家政学会において口頭発表をする予定ですでに申し込み済みである。 2.歩行時の足型(特にボールジョイント部)の変化の把握 (1)被験者5名を用いて、歩行時の足型の石膏採りを行い、従来から明確なデータを欠いていたボールジョイント部周辺の変化を立体的に捉え、靴の設計に有効なデータを得ることが出来た。今後はモデル数を増やし、足底部の柔軟度の設定等いくつかの補足実験を行なった後、学術誌への投稿を予定している。 3.着用靴の種類あるいは体格による歩行様態の特性の検討 (1)成人女子の被験者20名を用いて、素足・ロウヒール・ミドルヒール・ハイヒール着用時の歩行特性を、床反力測定装置および高速度撮影装置により測定した。解析の結果、履物別による歩行特性のいくつかの知見を得ることが出来た。 (2)今後の展開としては、歩行環境として階段歩行を取り上げる必要があるので、生活環境における階段の実態調査を行い、それらに基づくいくつかの階段のモデルを作成し、解析法等を検討のため予備実験を行なっているところである。
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