研究課題/領域番号 |
04680089
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
小ノ澤 治子 昭和女子大学, 家政学部, 教授 (10054149)
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研究分担者 |
下村 久美子 昭和女子大学, 家政学部, 助手 (80162816)
小見山 二郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016574)
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キーワード | タンパク質分解酵素 / 界面活性剤 / 酸化剤 / 漂白活性化剤 / タンパク質汚れ / 人工汚染布 / 水晶発振子 / 洗浄 |
研究概要 |
本研究の目的は、1)洗剤中に含まれる成分のうち、特にタンパク質分解酵素の活性を上昇させる成分に着目して、その機構を明らかにすること。2)水晶発振子を用いて、酵素により汚れのモデルとしてのタンパク固体が、分解、脱離する過程を経時的に追跡する方法を確立すること。3)汚染布を用いた洗浄において、酵素による汚れ除去効果と1),2)で得た知見との対応を確認することの3つであった。 1)昨年度に、各種のタンパク質分解において酸化剤と酵素が相乗作用をもつこと、またこの作用は、酸化剤が短い時間内にタンパク質を分子量で数%分解し、これにより酵素による分解速度が速くなることを確認した。本年度は、酸化剤の活性化剤として用いられるTAEDは、低濃度で酵素活性を約80%に低下させることを認めた。 2)水晶発振子は酵素の吸着、それに続くタンパク質の分解に伴う、発振子表面からの脱離を振動数の変化として出力する。酵素活性が低くなるpH11.5で陰イオン・非イオン界面活性剤の濃度を変えて、酵素のタンパク表面への吸着を調べたところ、活性剤濃度がcmc以上になると見かけ上、酵素の吸着が〜30倍にもなることが分った。これに伴い、タンパクの分解、脱離速度は最大数倍まで速くなるが、陰イオン界面活性剤は酵素活性を下げるためこの効果はcmc付近でしか現われない。非イオン界面活性剤では高い濃度まで、この効果がある。以上の研究から、酵素のタンパク表面への吸着に界面活性剤が大きな影響を持ち、これがタンパク分解、脱離の速度に関係することが明らかになった。 3)タンパク質成分を含む人工汚染布の酵素/陰イオン・非イオン界面活性剤、酸化剤、活性化剤系による洗浄挙動を洗浄率の測定により調べ、汚れ除去にはこれらの成分の効果が相加的に効いていることを見出した。
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