1 おからテンペ(OT)によるコレステロール(Cho)上昇抑制作用とその機作の検討 1) OT、分離大豆タンパク質やカゼインをそれぞれタンパク質源とする飼料でラットを飼育すると、OTのタンパク質には分離大豆タンパク質と同様にCho上昇抑制作用があった。 2) OTやセルロースを食物繊維(DF)に、カゼインをタンパク質源とする飼料でラットを飼育すると、OT群は糞中への胆汁酸とCho排泄量がセルロース群より多かった。この事実から、OTのCho上昇抑制作用にはタンパク質のみならずDFも関与しており、DFによる胆汁酸とChoや吸着の排泄が重要な要因になっていることが示唆された。 3) OTのneutral detargent fiber(NDF)をDF源とする飼料をラットに給餌しても血漿のChoレベルは低下しなかった。OTはDFには水溶性DFが多いことから、OTのDFによるCho上昇抑制作用は、主として水溶性DFが関与していることが示唆された。 2 OTのDFの特性と資化性の検討 OTやおからをDF源とする飼料をラットに投与し、次の結果を得た。 1) OTのDFは滞腸時間が短く、便秘の予防効果を期待できた。 2) OTのDFは脂肪の吸収を妨げなかった。 3) OTのDFの資化性はセルロースより有意に大きかった。 4) OTはラフィノースやスタキオースをほとんど含まず、しかもOTのラフィノースはラットによりほとんど利用されなかったことから、OTのDFは鼓腸性が低いことを示唆された。 5) ラットの糞から回収したOTを電子顕微鏡で観察すると細胞壁面が碁盤目状を呈し、同様に処理したおからとは著しく構造を異にした
|