本年度は、当初の計画通り積雪地の都市在住高齢者10名を対象として、非積雪期と積雪期に各2回づつ生活行動記録、万歩計値の測定および心拍数の連続記録を実施して、一日の生活身体活動水準の季節差を検討した。つぎに、得られた心拍数値が作業強度としてどの程度の水準に相当するか、を推察する手がかりとしてこのうち6名を対象として、自転車エルゴメーター負荷による最大下運動を実施して、最大酸素摂取量の推定値およびHR-V^^・_<02max>との関係式を求める実験を実施した。得られた結果は現在分析の途上にあるが、概略的には、(1)非積雪期、積雪期を問わず、日常の生活活動レベルでは身体的にactiveな条件で勤務する者以外では、有酸素性能力の維持に必要な運動強度および運動時間を確保することは期待しにくいこと、(2)有酸素性作業能力を維持するうえで、どのような種類の作業がその適当な強度を充足しているか、等が明らかになった。
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