本研究は、(1)積雪地で自立した生活を営む一般の高齢者の身体活動水準を把握する、(2)定期的に運動を実施している高齢者の身体活動水準を把握する、(3)活動的な高齢者ライフスタイルの特徴を、一般の高齢者との比較から特徴を明らかにする、という3つの目的を設定して実施した。 この研究の結果、規則的な運動を行ってない高齢者の身体活動水準の大部分は、自立した生活のための最低限レベルである3METs以下で50%VO_<2max>の推定値を越える時間は不十分であること。冬季の歩行や除雪のような屋外での身体活動の強度は高めで体力の維持の効果があること。活動的な高齢者が定期的に実施している運動は、健康で活動的なライフスタイルを維持する所要水準を充足していること。歩くスキー大会に参加し活動的な高齢者は、(1)健康に問題のある者の割合が少ないこと、(2)非積雪期に早起きである、(3)喫煙者は少ないが、飲酒者の率は高い、(4)奉仕活動への参加率が高い、(5)20歳以前の時期と50歳台以降活発に運動を実施している、などの知見が明らかになった。
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