スポーツ・ツーリズムの一連の調査を実施するに当って、先行研究からまとめた調査項目と質問票の妥当性と信頼性を高める必要があった。 そのために、本研究の調査対象イベントと類似したスポーツイベントにおいて予備調査を実施した。集合面接法で収集したデータと、インフォーマルな個人面接の結果、質問項目数及びそのワーディングなどを変更した。 この予備調査の結果、当初は研究対象として二種類のスポーツ・ツーリスト(イベント参加者とイベント観戦者)を予定していたが、イベント観戦者は旅行目的や活動内容が多岐に渡るため、本研究では対象外とし、イベント参加者のみを対象に絞った。 平成4年度では、全国大会レベル(日本スリーデーマーチ:埼玉県)、地方大会レベル(日光クロスカントリースキー大会:栃木県)、及びコミュニティ大会レベル(伊是名トライアスロン:沖縄県)において現地調査を実施した。地方大会レベルのイベントでは、冬季大会という時期的な制約があり、郵送法による調査となった。三調査の総サンプル数(1600)を分析の結果、各イベントともにスポーツ・ツーリスト(いわゆる宿泊型・旅行型参加者)と日帰り型のイベント・コミューターに大別され、イベント参加者の動キや支出傾向に差異がみられた。このイベント・コミューターという視点、または捉え方は従来のスポーツ参与研究には見られず、生涯スポーツやレジャースポーツの行動様式を解明する新しい視点になることが明らかになった。 平成5年度には、これらの研究報告を国内・外の学会において発表すると共に、予定している調査を実施し、最終的には報告書にまとめることとする。
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