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1993 年度 実績報告書

動物レクチンの生化学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04680172
研究機関帝京大学

研究代表者

笠井 献一  帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)

研究分担者 荒田 洋一郎  帝京大学, 薬学部, 助手 (90246017)
平林 淳  帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
キーワードレクチン / ガラクトシド / 線虫 / C.egegans / 複合糖質 / 糖結合タンパク質
研究概要

動物の金属依存性beta-ガラクトシド結合性レクチン(このファミリーをガレクチンという総称で呼ぼうという合意がごく最近、関係研究者の間になされた)の構造と機能を解明するため、従来から研究してきた脊椎動物(ヒト、ニワトリ)由来のものに加え、本研究者らが初めて無脊椎動物で発見した線虫C.elegansレクチンについて多角的に研究した。ヒト・ガレクチンについては、部位指定突然変異により種々のアミノ酸残基を置換した組み替えレクチンを作成し、機能との関係を解明した。そのうちのひとつ、1個のシステインをセリンに置換した組替えガレクチンは、野性型と全く同じ生物活性を示しながら、著しく安定性が向上した。これまでガレクチンの生体や細胞等に対する生物活性を検討する際、その不安定性のゆえに再現性の高い実験結果を得にくかったが、これにより著しい改善が期待され、現在、様々な実験系(マウス培養細胞におけるTGFgammaの誘導、ガン細胞におけるコラゲナーゼの活性化、等)で興味ある結果が蓄積中である。ニワトリ・ガレクチンについては、胚の皮膚発生過程における役割を、免疫組織化学的手法により、真皮と表皮において詳細に解明した。線虫ガレクチンについても、受精卵から成虫にいたる発生過程における挙動を、免疫組織化学的に解明し、多くの知見を得た。線虫ガレクチンは、脊椎動物ガレクチンと相同なアミノ酸配列が2回繰り返されるという特異な構造をしている。遺伝子工学により、全体、N末端側半分、C末端側半分、それぞれを大腸菌内で発現させたところ、いずれも特異的糖結合活性を保持していることが示されたので、1分子で2個の糖鎖を結合することが確認された。これら組替え体は、大量に調製できるので、今後の諸研究にきわめて有用である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hirabayashi,J.: "The family of metazoan beta-galactoside-binding lectins:Structure,function and molecular evolution." Glycobiology,. 3. 297-304 (1993)

  • [文献書誌] Hirabayashi,J.: "General comparison of two animal lectin families and possible reason for their being." Trends Glycobiol.Glycotech.5. 251-270 (1993)

  • [文献書誌] Akimoto Y.: "Secretion of endogenous 26-kDabeta-galactoside-binding lectin form vitamin A-pretreated chick embryonic cultured skin." Exp.Cell Res.205. 251-260 (1993)

  • [文献書誌] Gabius,H.,(Editor): "Lectins and Glycobiology" Springer,Berlin., 521 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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