研究課題/領域番号 |
04680203
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研究機関 | (財)大阪バイオサイエンス研究所 |
研究代表者 |
滝川 修 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (70163342)
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研究分担者 |
刀禰 重信 和歌山医大, 助手 (70211399)
吉田 龍太郎 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 部長 (10124760)
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キーワード | インドールアミン酸素添加酵素 / インターフェロンーγ / 転写制御因子 / 誘導酵素 / 分子生物学 / トリプトファン代謝 / 細胞内情報伝達 / サイトカイン |
研究概要 |
5'側の非翻訳領域の違いによる1.7kbと2.3kbのサイズの異なる2種類のトリプトファン代謝酵素のmRNAがIFN-γで誘導されることを既に見いだしていたが、本年度は、両mRNAの誘導kinetics及び5'側領域につい詳細な解析を行ない、以下の知見を得た。 1.IFN-γによる両mRNAの誘導の経時変化に差は認められない。2.両mRNA誘導は、蛋白合成阻害剤の添加で阻害されることから、その生合成にある種の蛋白誘導が必要であること。3.その蛋白誘導は、IFN-γ添加から3時間以内に生じていること。4.1.7kbp mRNAの5'側領域にはIFN regulatory factor-1(IRF-1)の結合塩基配列、IFN stimulated response element(ISRE)、Y-box、及びX-box様配列が含まれていること。5.しかし、この領域には、IFN-γにresponsiveなプロモーター活性は認められないこと。6.2.3kb mRNAの転写開始点から約0.5kb上流には、ISREとX-box様配列が存在し、その配列にIFN-γにresponsiveなプロモーター活性が存在すること。 上述したような2種類のmRNAの存在したことから、当初の計画より多くの時間を要したが、最後的に、転写制御領域を決定することができた。次の段階は、この転写制御領域の塩基配列を化学合成し、gel retardation法等により、転写制御因子を細胞抽出液中に検索することであるが、その際、慎重に考慮されなけけばならないのは、IFN-γ添加後3時間以内に誘導される蛋白である。この蛋白が、A)本因子そのものである場合、B)構成的に発現している本因子に結合する場合、C)kinase活性等を有する酵素で、構成的に発現している本因子を修飾する場合等を想定して解析する予定である。
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