研究課題/領域番号 |
04680231
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 神戸商船大学 |
研究代表者 |
三宅 寛 神戸商船大学, 商船学部, 教授 (00031443)
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研究分担者 |
山内 知也 神戸商船大学, 商船学部, 助手 (40211619)
小田 啓二 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (40169305)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | ラドン / トロン / 平衡等価濃度 / パッシブ法 / 娘核種濃度 / α線エネルギー識別 / 固体飛跡検出器 / 静電捕集 |
研究概要 |
本研究は、CR-39飛跡検出器のα線エネルギー識別性を利用して、高感度のパッシブ法でラドン・トロン娘核種濃度測定を行い、平衡等価濃度を求める信頼性の高い方法を確立することを目的とするものである。申請者らの開発による市販品を購入し改良使用するとともに、使用目的により適切な静電捕集型測定器を新たに設計製作し実験を行った。 本方法の最重要課題は、検出器特性の経時変化や環境条件による捕集効率の変動の影響を評価し、補正法を確立して信頼性を向上させることである。画像処理自動計測により得られたα線エッチピットのサイズ・形状分布からラドン・トロン娘核種から放出される各種エネルギーのα線の検出効率を正確に評価するため、計算機シミュレーションによって求めたα線エネルギー、入射角度及び溶出厚によるエッチビット形状の変化と実測データとを比較した。この成果については、応用物理学会放射線分科会誌「放射線」(第19巻 第3号、1993)に発表した。 平成4年度にラドン・トロン混在場における共同比較実験に参加し、2月間×6回、延べ1年間にわたり実験をした結果、トロン濃度がラドン濃度より高い環境においては、本方法を用いてもラドン濃度測定誤差が大きくなり、とくに娘核種濃度の評価に問題があることが判明した。 そこで、分別測定誤差の大きな要因となる検出器の応答特性の諸条件による変化をより正確に調べるため、検出器内でのα線エネルギー変化に伴うトラックエッチ速度の局所的変化を、段階的エッチング法と名付けた方法を用いて実測した。この結果を用いてエッチピット形状シミュレーションの精度を向上させて、ラドン・トロン娘核種識別と検出効率評価の精度を改善した。さらに、フィルターやカスケードインパクターを用いるアクティブ法との比較実験により、環境条件による娘核種捕集効率変動の寄与を調べ、平衡等価濃度測定法としての精度を改善した。
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