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1992 年度 実績報告書

メカノケミカル反応としてのアクチン重合ー細胞の形態変化におけるアクチン重合の役割の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04680275
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

宮田 英威  慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (90229865)

研究分担者 木下 一彦  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30124366)
キーワードリポソーム / アクチン / サイトカラシン / 細胞骨格 / 細胞運動
研究概要

1 研究目的:精製アクチンをリポソームに封入したものを用い、第一にアクチンモノマーが重合してフィラメントが作られるときに起こるATP加水分解或いはフィラメントがリポソーム内で配列を変えることによる力学的仕事の発生の有無を調べること、第二にそれがあるなら大きさを推定する。
2 研究計画:(1)リポソームを保持して内部のアクチンに外から様々な「揺さぶり」をかけ、そのとき起こる変化を主にリポソームの形態変化として捉えるという試み。揺さぶりにはアクチンのフィラメントを壊すサイトカラシンと呼ばれる毒を利用する。(2)更にアクチンのリポソーム内での重合を追跡するためにアクチンに適当な蛍光ラベルを施し重合時におこる蛍光変化をW-microscopeによって可視化定量化する。(3)形態変化のうち比較的単純なものについて形態変化時におけるリン脂質膜の弾性エネルギー変化を見積もる。
3 研究成果:2-(1)について端緒的成果が得られた。リポソーム内でアクチンが重合すると束になりリポソームの内周に沿って並ぶ。その結果リポソームは円盤型或いはしゃもじ型という対称性の高い形をとる。ところがこのリポソームの外側に上述の毒を加えるとこれは内部のアクチンに作用し、リポソームの形が変わることが分かった。またこのとき内部のアクチンフィラメントの配列が変わったことを示唆する結果も得た。この原因が何であるかは検討中である。これまでに調べたところではアクチンフィラメントの並び方が変わったために、毒を加えるときに起こる浸透圧変化にリポソームが対抗しきれなくなったという可能性を示唆する結果を得ている。また、2-(2)について蛍光ラベルしたアクチンがリポソーム内で重合すると蛍光が変わることを顕微鏡下で確かめられる見通しがついた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hidetake Miyata: "Morphological changes of liposomes caused by polymerization of encapsulated actin and spontaneous formation of actin bundles." Proceedings of National Academy of Sciences of the United States of America.89. 11547-11551 (1992)

  • [文献書誌] Hidetake Miyata: "Morphological change of liposomes encapsulating polymerized actin caused by cytochalasin D." Journal of Muscle Ressearch and Cell Motility. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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