研究概要 |
化学ICAIソフトのProlog言語による開発に関する最終年度の研究実施計画は,ほぼ予定どおりに完了する事ができた. (1)金属イオン5種類(Ag^+,Cu^<2+>,Fe^<3+>,Ca^<2+>,K^+)について,各種試薬(分属操作試薬=HCl,HCl+H_2S,NH_3+H_2S,NH_3,NH_3+(NH_4)_2CO_3分離操作試薬=H_2SO_4,NaOH,K_2CrO_4,(NH_4)_2C_2O_4,Acid(HCl,HNO_3,CH_3COOH),NH_3,filter,heating)に対する反応をデータベース化した.その際化学反応によって生ずる各種の化合物を構成イオンの組として記述するように改良を加えた.この改良によって,反応過程をより具体的にグラフィック表示することができるようになった. (2)上に述べた改良に合わせて,データベースを利用して個々のイオンを分離・定性する手続きを発見する,推論エンジンの動作効率の改善を行った. (3)知識データベースと推論エンジンから得られる情報を使用する3つの利用モード(ドライラボ,セミエキスパート,及びディクショナリーモード)を統一することで金属イオンの分離定性に関する教育システムを完成させることができた.このシステムには,たとえば与えられた3種類の金属イオン混合溶液に関して,それぞれのイオンに分離同定していく手続きを解がある限り発見していく能力などがある. まだ適用できる金属イオンは5種類で実用には遠いが,原理的には物質と反応に関する知識データベースを増やしていくことで適用対象は拡張することができる見通しがついたので化学ソフトウエア学会の論文誌として発表した.
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