1.自然観察について 環境教育の基礎となる自然認識を調べる目的で、小・中学校の児童・生徒の自然環境に対する興味、関心について調査をおこなった。調査対象は、小学校5年の1学級、中学校2年の4学級である。 自然観察のために人工的に設定された部分(ミツバチの飼育箱、誘蛾灯、タガメの飼育池など)と比較的自然に近い部分(樹木伐採後草原となっている所、杉林など)の両者を含む地域(開発途中の赤城自然園を利用)で自然観察を行い、その結果と約1ヶ月後に行った事後調査の結果との比較を行った。 (1)小・中学校間では観察項目数に差があり、中学校の方が多い。中学校各学級間では観察地点によりかなり差がある。 (2)実地調査と事後調査で対応できる項目間で比較すると、事後調査では記入項目数がかなり少なくなっている。1ヶ月たつと観察の印象はかなり薄くなっていると考えられる。 (3)実地調査と事後調査の共通記入項目数の、実地調査記入項目数に対する割合は、小学校より中学校の方が大きく、1ヶ月後に残っている印象が多いと考えられる。 (4)記入項目の内容をみると、小・中学校を通して、インストラクターが適宜説明をしたもの(人工的に設定された部分が多い)、特別に印象に残った現象が見られたもの(種のはじける植物、足に着く種など)に対する興味、関心が高い。 2.理科の中に位置づける環境教育モジュールの作成 環境にかんする独立した教科のない現在、環境教育全体としてのカリキュラムの作成より、単独で利用できるモジュールを考えて、そのテーマと内容項目の一覧表を作成した。
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