前年度の俳句教材(HyperHAIKU)は、94年2月の米国教育コミュニケーション・工学会(AECT)でPractitioner's Mallという形式で1時間にわたり公開、報告した。反応はまずまず出あり、関心は高かった。とりわけ、中等教育関係者からの質問が多く、研究者らには米国の俳句教育の一端が見えたように感じた。93年度は初めに非言語コミュニケーションに題材をとるという方針を立て、しかもその中でも比較的わかりにくいと指摘される身体動作に付いてまず調査した。調査を進めていく中で、日本人にとってもその語源・由来が性格に理解されていない言い回しもいくらかあり、付随的な事ではあるが再認識を深めた。日本語学習者がしばしば誤解し、わかりにくいがどうしてそうするのか知りたいという分野である。具体的には、「手刀を切る」「首になる」「肘鉄砲を食わす」といった語源、由来に付いて説明が必要なものを収集し、ビデオスキットにし、その後インターアクティブな日本語教材をオーサリングソフトを用いて制作した。現在パイロットテストの準備段階であり、詳しい結果は出ていないが、写実的ビデオスキットが分かりやすいとの意見はいく例かで出ている。これまでの開発状況と狙いに関しては、93年10月の日本教育工学協会にて報告した。 本年度の問題点はビデオファイルとしてコンピュータのモニターに提示するときメモリー不足で、動画の1秒間のコマ数が非常に少なくなり動作がゆっくりになってしまうことであった。ハードウェアの問題なので、来年度は設備を改善する予定である。ソフトウウェアの相性も今一つ良いとはいえず、来年度にかけてupgradeをして環境を整えて行かねばならないだろう。
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