研究課題/領域番号 |
04680309
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
上 昭二 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (80030485)
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研究分担者 |
横川 和章 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50174850)
名須川 知子 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (50144621)
岡部 毅 兵庫教育大学, 学校教育学部, 教授 (00105339)
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キーワード | 幼年児童 / 表現形成 / 遊び |
研究概要 |
本研究は、幼年児童期の「表現」の形成の過程を明らかにしようとしたものである。 手続きとしては、出来る限り自然な状態の中で遊びを観察するために本大学のプレイ・ルームに、2組の親子に来訪してもらい、その様子を、約40分間、4台のVTRで収録した。また、縦断的分析のために、5〜8回程度、来訪してもらった。結果、4グループ計26回分の収録ができた。 それらのビデオテープを分析した結果、表現形成として、次のことが明らかとなった。1)身体の動きによる表現として頻繁に使用される「すべり台」を分析したが、様々な身体の動きを用いて、すべり方を工夫していた。また、自分の身体だけではなく、何かコントロール可能な遊具を共に、すべり台で使用する例がみられた。2)音による表現として、数台の楽器を配置していたが、彼らは遊具のひとつとして、楽器を捉えているようであった。しかしながら、そこには「音」を媒介として表現したいという意志が明確にあらわれており、その結果、2者間の相互作用がみられた。3)幼年児童期の表現の形成は、音、描画、運動といった分離した側面でとらえるのではなく、「遊び」の中でその萌芽と発展が明らかに見い出すことがきた。今後の課題として、幼年児童期の個人における表現形成の過程について、7〜10半間にわたる長期的研究が必要であることが言える。 本研究では、数値上の3年弱の表現形成の差違は見い出せなかった。
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