認知的要因をコントロールする要因(メタ認知的要因)は、広義の教師の「メタ認知」が児童・生徒に内面化し、児童・生徒の「メタ認知」(「内なる教師」)となり、問題解決に機能するものと考えている。 本研究は、4つの教師の言語行動(説明、発問、指示、評価)の視点から、「メタ認知」を測定するアンケートの開発を目指すものである。 予備調査の結果から当初作成した121項目のアンケートを分析し、新たに和文用59項目、英文用60項目の測定用具としてのアンケートを作成し、調査を実施した。 この調査の結果、例えば、アメリカでの「メタ認知(内なる教師)」の特性として、図をかくことといった、日本では肯定的なメタ認知が、必ずしも安定した強い印象の肯定的なメタ認知ではないことなどが明らかになった。 このアンケートでもメタ認知測定に不十分なところがあり、再検討を行った。 また、このアンケートの結果と児童・生徒の数学的問題解決過程との関連についての調査分析にも不十分なところがあり、刺激再生法による調査方法を開発し、予備調査を行った。 この結果から、仮定したメタ認知の内面化の過程モデルの7つのポイントのうち、5つのポイントが明らかになった。
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