本研究は、平成4年度から平成6年度までの3か年計画で実施したものであり、最終年度は、初年度の実地調査に基づいて得られた実態調査(昨年度実施の全国調査)の集計と考察を行い、その成果を標記の研究課題のもとに、「科学研究費補助金研究成果報告書」としてまとめた。研究成果の概要は、主として、下記の通りである。 1 実態調査の集計と考察 調査の結果に基づく考察については、(1)学校及び生徒に関する基本的実態、(2)農作業学習の実状、(3)生徒の変容、(4)地域性、(5)指導上の留意事項の5項目の観点から考察を行い、文部省の担当教科調査官の助言も加味して、農作業カリキュラム編成のモデルに必要な基礎的要素について検討を行った。 2 報告書の作成 本報告書は、主として、(1)先進校における農作業の現状と特性を明らかにするための実地調査と、(2)全国精神薄弱養護学校における農作業カリキュラムの実状と特性を意図したアンケート調査の結果と考察から成るもので、両者の実地調査研究を通して軽度児の精神遅滞児のための農作業カリキュラムのモデルを地域性を考慮して示した。カリキュラム編成の基礎的事項とそのモデルは、研究成果報告書の関係機関への配布と当該学会発表等を通して、全国の精神薄弱養護学校の職業教育を進めるうえに寄与するものと思う。
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