1.日本・米国・中国の児童生徒を対象にして、(1)「変わっている」友人を「一般の」児童生徒が、いかに受容し拒否するのか、(2)友人を「変わっている」と判断する基準は何か、(3)等質的集団と異質的集団とどちらに好感を持つか、(4)集団と等質的な児童生徒が「変わっている」友人に、また、「変わっている」児童生徒が等質的な集団に属する児童生徒に、どのような感情を持つか、(5)これらは、認知的情動的特質の個人差とどのような関連を持つか、について調査し、比較文化的検討と発達的検討を通して、日本人の国民性の一側面の形成過程を明らかにし、多様な人々との調和的共存の方途を探究することを目的とした。2.収集された資料は多岐にわたり、現在も分析検討中であるが、現在のところ、次のような結果が得られている。(1)日米中に共通して、「変わっている」友人の特徴は、「意地悪な」「攻撃的な」特徴と「学業不振の」「運動が不得手な」などの特徴に二分され、前者が受容されにくい。(2)日本では「学業不振の」の、米国では「意地悪な」の、中国では「貧しい」の受容の相対的容易さが示された。(3)日本では、学年と共に、受容の容易さが増大するのに対して、米国と中国では、中学生の受容の容易さが低下していた。(4)日米中に共通して、「意地悪な」の受容の容易さが、男>女であり、他の特徴については国により異なっていた。(5)「変わっている」友人と自分との類似性の認知は、日本ではかなり高く、中国では低かった。(6)「変わっている」友人の受容に母親の学歴は関係していたが、同胞数はあまり関係していない。(7)日本や中国では、授業のクラスの選択において、成績の異質的な集団を選択するのに対して、米国では、成績の等質的な集団を選択した。住む場所の選択では、日本が相対的に経済的に異質的な場所を、中国が等質的な場所を、それぞれ選択した。
|