1.本年度は、国連人権委員会等における非裁判的手続の運用の実態の分析を中心に論点を摘出する作業を行った。 2.本学の現有図書設備では、本研究に必要な文献はまだまだ不十分であるので、国連人権委員会・同小委員会関係図書ならびに国際人権法関係図書等の書籍を購入した。また、8月と12月に東京に2回出張し、本研究上不可欠な文献・資料を自ら収集した。さらに、調査補助者の助力をえて、こうして集めた文献・資料の整理にあたった。 3.1993年6月に、オーストリアのウィーンで国連主催の世界人権会議が開催された。この会議では国際的人権保障に関する種々の論点が討議され、ウィーン宣言が採択された。この会議およびウィーン宣言は、本研究とも密接に関連するので、本年度は世界人権会議およびウィーン宣言の分析も行った。 4.本年度の研究実施結果は次のように要約できる。 (1)1.の分析には当初の予測以上に時間を要しており、国連人権委員会等における非裁判手続の運用の実態の分析は、未だ十分にはなされていない。 (2)しかし、本研究に密接に関連する上記世界人権会議に関する分析に関しては、一定の成果をえた。 (3)アジア人権機構の設置に向けて理論的枠組みを提示することを目指した本研究は細部については必ずしも十分には実施されていないが、概ね目標にそって研究は実施された。研究成果報告書においては、現時点で到達した研究の成果を公表する。
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