研究概要 |
本年度は,ジーメンス関係図書を集中的に集めたほか,比較対象である企業分社化の実例として富士電機・富士通・ファナックの営業分析をパーソナル・コンピュータを使用したデータベースから行うとともに,英文ペーパーを準備し1994年4月14日から16日にかけて英国ロンドン経済大学(LSE)で開催される英日経営史学会で報告する予定である。 本年度に得られた重要な知見は,ジーメンス社の経営はきわめて利益重視型の堅実経営であったのに対して,日本の富士電機・富士通・ファナックは利益よりもシェア成長重視型であったことである。また,同じ系列といえど,富士電機よりは富士通,富士通よりはファナックと規模の小さい分社企業の方が高い利益率を上げていることが実証された。特に初期から70年代までに高い利益率を上げてきた富士通も規模が巨大化すると利益率が低下していく傾向にあるという興味深い事実も発見された。
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