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1993 年度 実績報告書

超イオン導電体薄膜における絶縁体微粒子分散効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04804017
研究機関名古屋大学

研究代表者

石橋 善弘  名古屋大学, 工学部, 教授 (00023052)

研究分担者 古沢 伸一  仙台電波工業高等専門学校, 講師 (60219110)
キーワード超イオン導電体 / 薄膜 / 絶縁体分散効果 / AgI / 活性化エネルギー / アレニウス・プロット / KSnOPO_4
研究概要

本年度は、主としてAgI薄膜の作成とその電導率測定に重点をおいた研究を行った。
まず、SiO_2またはAl_2O_3基板にAgを真空中蒸着して50〜1000Aの厚さの膜をつくる。次にI_2のガスを膜面上に流す。すると反応によってAgI薄膜が形成される。これは電子線回析、X線回析によって確認した。このようにして得た薄膜について電導率の温度依存性、周波数依存性を20℃〜180℃、100Hz〜10MHzの範囲で測定した。
その結果、薄膜の導電率はバルクと比較して10^3倍程度大きくなっていることがわかった。しかし、調べた膜厚の範囲では、明確な膜厚依存性はみられなかった。またアレニウス・プロットにより、活性化エネルギーは0.31eV程度で、バルクの値0.5eVとくらべて著しく小さくなっていることがわかった。この活性化エネルギーの差が、薄膜における電導率の増加に寄与しているものと考えられる。
導電率の周波数依存性の解釈には、変位電流を考慮しなければならないこと、コンデンサーと抵抗の並列回路によって解釈できること等がわかった。
なお、AgI薄膜と平行して研究を行っている他の超イオン導電体KSnOPO_4(KSP)の導電体のアレニウス・プロットにみられる相転移点におけるピークは、等価回路にあらわれる緩和時間の分布と密接に関係があることがわかった。これは、他の超イオン導電体のアレニウス・プロットを解釈する際参考になる知見である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 古沢伸一,林久秋,石橋善弘: "Ionic Conductivity of Quasi-One-Dimensional Superionic Conductor KTiOPO_4(KTP)Single Crystal" J.Phys.Soc.Jpn.62. 183-195 (1993)

  • [文献書誌] 古沢伸一,宮岡聡,石橋善弘: "Particle-Size Effect of Conductivity Enhancement in BaTiO_3-Dispersed AgI" J.Phys.Soc.Jpn.62. 196-199 (1993)

  • [文献書誌] 古沢伸一,柳沢宏幸,石橋善弘: "Phase Transition and Electric Property of KSnOPO_4(KSP)Single Crystal" J.Phys.Soc.Jpn.62. 4152-4153 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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