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1994 年度 実績報告書

非発光ラジカルのイオン付加による新しい計測法

研究課題

研究課題/領域番号 04804033
研究機関国立環境研究所

研究代表者

藤井 敏博  国立環境研究所, 化学環境部, 室長 (60109907)

研究分担者 古田 直紀  中央大学, 理工学部, 教授 (90101055)
キーワードフリーラジカル / 検出法 / イオン付加反応 / 質量分析法 / 分子軌道法
研究概要

本課題は、まったく新しい着想のもとずく質量分析法を用いた非発光ラジカル等の活性化学種の計測法に関するもので、化学種にLi^+イオンを付加反応させ、Li^+付加complexを作り、質量分析法によって検出する方法により、非発光ラジカルを含む全ての気相中低濃度ラジカルの計測システムの確立を目的とする。
最終年度の6年にはCH_4/O_2混合ガス系のマイクロ放電で生成する種々の化合物の中に、長い間存在が議論の的となっている三酸化水素(H_2O_3)を気相において検出、H_2O_3Li^+の形でその存在を本格的に検討確認できた。一定流量10cc/minのCH_4/O_2の混合ガスをフローキューブに流し、MW放電によって生成した生成物のLi^+付加イオンスペクトル(m/z5-9,m/z38-42,m/z54-59,m/z83/87)の中にm/z57に明白なピークが検出された。50amuの質量を持つ化合物をCAS-onlineシステムで検索し、これらの中、今回の実験条件を考察すると、可能性のある化合物として、H_2O_3が確認された。予備的実験の結果から得られた主な結果を箇条書きにすると、(1)CH_4/O_2で生成される化合物のうち、H_2O_3はむしろminorな生成物である。(2)O_2の混合比が多くなるとともにH_2O_3の量は増加し、O_2(10%)/CH_4(90%)で最大となる。(3)H_2O_4は観測されないが、H_2O_2は最小検出量レベルで観測される。今後の方向として、H_2O/O_2,H_2O_2/O_2系等での実験が望ましいと考えている。
又、付加生成の難易さの度合いはLi^+affinityに依存するが、この化学定数を計算(MO法)で簡単に求める方法をフリーラジカルの定量法確立のために検討した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Toshihiro Fujii et al.: "Filament Thermlonic sources of Li^+ ions in low heating power" J.Phys.E. GD(to be published).

  • [文献書誌] Toshihiro Fujii et al.: "Li^+ affinity C_2H_3 and C_2H_5 radical:af initio characterization of Li^+-radical complexes" J.Molacular Struc.GD(to be published).

  • [文献書誌] Toshihiro Fujii et al.: "Mass Spectrometric Studies of the Neutral and Ionic Products in a CH_4/O_2 microwave discharge plasma" J.Phys.Chem.97. 11380-11384 (1993)

  • [文献書誌] Toshihiro Fujii et al.: "Production of large O-containg neutral hydrocarbon species by a CH_4IO_2 microwave discharge" Phys.Rev.E. 49. 657-662 (1994)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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