研究概要 |
1.空気中のラドンおよび娘核種濃度の測定 屋内、屋外においてラドンと娘核種の同時測定を行った。その結果、屋内においては娘核種は床、壁、天井などに付着し、空気中より除かれるのでラドンと娘核種の間で放射平衡が成り立っていないことがわかった。これに対して、屋外では娘核種はエアロゾルに付着して空気中に存在するのでラドンとの濃度比はほぼ1であることがわかった。^<218>Poのエアロゾルへの付着係数として(1.3±0.3)x10^<-3>cm^3s^<-1>,壁や床への沈着速度として1.6〜5.7x10^<-3>m/sが得られた。 2.水中ラドン濃度の測定 ^<214>Pbのγ線測定により、水中ラドン濃度を求める方法を開発した。ラドン濃度の比較的高い地下水では100ccの試料水を直接測定し、ラドン濃度の低い地表水についてはトルエン抽出法を併用した。この方法を広島県内の55ヶ所の地下水中のラドン濃度の測定に応用した。その結果、ラドン濃度の高い地下水は花崗岩の地層に分布し、さらに、県東南部と県西北部に分布している断層帯付近においてラドン濃度の高いことが示された。
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