研究概要 |
本年度は,まず,風洞実験では,失速仰角付近での揚力が増大し,抗力が減少することを確かめた。しかし,表面振動振幅が小さかったため,当初予想した失速仰角を遅らせることはできなかった。なお,振動振幅が100Hzのときその効果は最もよく現れた。 次に,数値計算では,流れ場を薄層近似したナビエ・ストークスの方程式を差分法によって解き,翼表面での境界条件として与えた微小振動の効果を調べた。その結果,失速仰角近傍において,揚力係数が増加することを認めた。また,実験結果ともおおむね一致した。ただ,仰角alpha=11°および12°において揚力係数がかなり減小する結果が得られ,この原因については今のところ不明である。
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